デューディリジェンス(DD)とは
DDの種類
DDの主な種類には、「ビジネス(事業)DD」、「財務DD」、「法務DD」の3つがあります。
大半のDDではこの3つをセットで行うのが主流です。
このほかにも、案件の内容に応じて、より細分化された詳細なDDを行う場合あります(労務・人事DD、不動産DD、税務DD、ITDD、知財DDなど)。
ここでは、メインの3つについてご紹介します。
① ビジネス(事業)DD
M&Aの対象となる事業に関するDDです。
商品やサービス、ビジネスの仕組み、商流、社内体制、取引関係者、業界での立ち位置や市場環境、事業の将来性やM&A後の自社とのシナジー効果などを調査します。
対象事業が、自社にとってのM&Aの目的や獲得目標にみあったものか、価値を見いだせるものか、価格をいくらにすべきか、といったM&Aの実行判断に際しての根幹にかかわる調査といえます。
ビジネスDDは、買い側が自社で実施したり、ファイナンシャルアドバイザー(FA)やコンサルティング会社、その他の外部に依頼する場合があります。
② 財務DD
対象会社や事業についての、財務面を対象としたDDです。
決算書等の財務諸表をベースに、過去の業績推移、収益性、バランスシートの内容、簿外債務の有無など、多角的に調査・分析を行います。
また、特に中小企業の場合には、決算書等の内容が実態を必ずしも正確に表していないことが多いため、ときには帳簿類や証憑等にまでさかのぼり、BS・PL双方について、実態との乖離の有無を調査し、実態にあわせて修正したBS・PLの数値を把握します。
将来の収益性やキャッシュフローを予測するなどし、事業価値や買収価格の算定をすることも含まれます。
財務DDは、公認会計士等の専門家に依頼するのが通常です。
③ 法務DD
対象会社や事業について、法務面から行うDDです。
対象会社の情報把握や、係争案件や簿外債務のリスクの有無、主要取引先との契約関係、法令遵守状況、許認可、その他課題・リスクの有無や程度について調査します。
法務DDは、弁護士等の専門家に依頼するのがほとんどです。
その理由としては、基本的に調査・チェック項目が多岐にわたるケースが多いこと、顕出された問題やリスクについての法的評価や対処の検討が必要になること、DD結果を最終契約に反映する必要があること、などが挙げられます。
調査結果をもとに、リスク事項につき売り側・買い側のどちらが責任を負担するかなどを最終契約に定めたり、価格について再交渉(減額)したり、場合によっては取引を中止する判断に至ることもあります。