デューディリジェンス(DD)とは
売り側におけるDDの注意事項
Summary
- 資料提出や質問対応に際して スピードと正確性が求められます
- 魅力的な商品説明を意識する必要があります
DDへの対応は、売り側にとってM&Aにおける大きな山場の一つです。
DDの結果次第で、取引条件や価格へ大きく影響する可能性を秘めており、場合によっては取引の成否を左右することもあります。
買い側がコストをかけて実施したDDでの判明事項については、よっぽど軽微であったり、買い側がリスクに寛容でない限り、必ず契約や条件に反映されると考えた方がよく、
それだけ重要です。
DDへの対応は、時間的・労力的にも精神的にも、相応の負担と思いますが、ここが踏ん張りどころです。
DDを実施する側の立場からすると、
① 依頼した資料がなかなかでてこない、内容も曖昧不正確
② 資料がそもそもないなど問題点ばかりが目につく
となると、調査にも時間がかかりますし、結果として、調査結果の報告に際してもリスク要因として消極的な内容を多く指摘することになります。
これを逆手にとると、
① 必要な資料がレスポンス良く提出され、資料の内容も調査者の意図を汲み取った明確かつ正確な内容である
② あるべき資料・書類が整備されており、仮に問題・課題点になりうる点があっても、その対処や手当が売り側から明確に提示されている
という状況だと、レポートでもそれらが反映されやすく、また買い側との交渉のときにも、仮に問題点を指摘されても、解決可能あるいは過大なリスク要因でないことを、すぐに示すことができます。
さらに加えて、会社や事業内容について、強みや優位性を積極的にアピールできるよう、具体的な根拠資料を揃えていれば、いうことがありません。
買い側が調査で求めてくるであろう資料や情報を、積極的に先回りしておくのが重要であり、セラーズDDまでいかずとも、簡易的にでも模擬DDのようにあらかじめ資料の整理と分析をして直ぐに出せるようにしておくと非常に効果的です。
また、リスク事項として把握され、価格や条件への影響が見込まれそうなものについては、解消・改善策等の手当をしておくこと、少なくとも、曖昧な説明で過敏にリスク事項として報告されぬよう準備をしておくことも重要です。